善光寺への道
実は善光寺はどうでもよくて、涼しげなところを延々とバイクで走りたいだけの人生だった。
ここは安房峠。12連続ヘアピンカーブがある酷道158号線である。
新型カタナは大型だけあって、小回りが効かないので道が狭くて荒れているところは苦しい。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
安房峠を抜けて東へ向かうとそこは松本である。
延々とリンゴ農園が続いていた。
ところで農園のあちこちにある扇風機のようなものはなんだろうか?
調べるとあれは霜除けなんだそうだ。
霜が降りそうな寒い朝に、作動させておくと地上5~6mの空気を送風することで霜が降りてリンゴの木が痛むのを回避できるそうだ。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
初日はおバイクに専念して、そうそうにキャンプインする。
場所は
ここです。
飯綱高原キャンプ場は、近くに飯屋があり、温泉もあるのでテントだけでもおk
なんとガソリンスタンドまである。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
キャンプ場は、湖のそばにあって朝焼けは幻想的だ。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
陽が登るとこんな感じ。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
善光寺はバイク用の駐車場が整備されている。
No4駐車場で、善光寺の裏手にある。一台300円。
なお、写真はとくに意味はなく甘酒と猫である。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
善光寺は宗派のない仏教寺院である。
宗派のない仏教寺院なんてありえるのか。ありえるのである。
というか、宗派が別れたのは随分経ってからで、それ以前に建てられた善光寺には関係のない話なのである。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
善光寺には、一遍、親鸞、重源、良寛といった名僧が参拝している。
ちなみに下の写真は善光寺に寄進していた真田家の供養塔である。
信州だとやはり真田は外せない。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
水子供養。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
蓮の花と山門
この構図でとるために30分ぐらい格闘した。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
あの山門、お金を払えば上まであがることができる。
中国の天安門も似たようなサービスをやっていたな。
考えることは皆同じか。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さて、表参道をぶらつきますか。
まだ朝の9時ってのに、あまりにも暑い。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
今日でお盆休みは終わりなせいか、あまり人がいなかった。
もうみんな帰ったのかな。
よく考えたら、まだ9時だったわ。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
観光地化が進んでいるためか、絵になる町である。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
昔、18年前にここに来たことがある。
大学受験のためにである。その時は雪が降っていた。
信州大学を受けたわけだが、あれが受かっていたら自分はどんな人生を送っていただろうか。
長野に居着いたかもしれない。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
まぁ、それはともかくとして写真でも撮るか。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
奥の雰囲気がある建物は藤屋御本陳。
加賀の前田家が参勤交代で江戸にいく途中で寄る大名旅籠の跡地をホテルにしたもの。
さらに去年にホテルからカフェと結婚式場とレストランにジョブチェンジした。
新幹線のおかげでみんな日帰りでくるようになってホテルでは食っていけない。
中は自由に見学できる。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
善光寺のあとは、黒部ダムへGO
善光寺からはバイクで1時間半ほど。さらにそこから15分かけて電気バス(往復料金
2,570円)。さらに220段ほど階段を登るとここに立つことができる。
220段の階段は14階建てのビルに匹敵する。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
黒部ダム建設用のコンクリを運ぶコンクリバケット。7tある。
これを山の中腹に作ったコンクリ工場から220m下にある川底に向かってクレーンで下ろす。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
黒部ダムの観光放水は、10月15日までである。
ちなみに虹が見えるのは放水がミストであるためで、水のまま放水すると水落下の衝撃で岩盤が痛むためだそうだ。
岩盤が壊れるほどの打撃力・・・
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
標高1,454m
ちなみに愛知県で一番高い茶臼山の標高が1,415mである。
それよりも高い場所にダムを作るのだ。
これを考えた人間のそうとうにイカれているが、Goサインを出した関西電力の太田垣社長もぶっ壊れているとしか思えない。
総工費は、関電の資本金の5倍ぶっこんだ。会社の資本金の5倍だ。
失敗したら会社はアポロ並に吹っ飛ぶ。
なお、長野になぜ関西電力かというと、大阪が真剣に電力不足だったので長野から延々と送電線を引いてここから電気を送っているのである。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちなみに、ダムの左右にはダムよりも高い岩山が存在する。
ちなみもへったくれもないが、どちらも殺人的に垂直な壁になっている。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
だが、それでもダムはつくられた。殉職者は171人。
怪我人はいない。
なぜならミスは即、死を意味するからである。怪我では済まないのだ。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
結構、ダムの構造物が自然に埋もれている。
大丈夫なのだろうか。
大丈夫なのである。発電所は500mほど地下にあるからだ。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
命がけで、このコンクリを打ったのは人間の情熱だろうか。
私はそうは思わない。
ただ、必要があるだけだ。
必要だから、それを作った。ただそれだけだ。必要だから、やる。
黒部ダムが着工した1956年に大阪は電力不足だった。原発はまだなく、火力発電用の重油や石炭も買えない以上は、水力発電しか解決方法はない。
大規模な水力発電所を作れる場所は限られる。
その限られた候補に黒部があり、どう考えてもイカれた計画が立案され、金と人命を湯水のように使ってダムが建てられた。
それが必要だから。
理非や感情よりも、電気が要るというまことに即物的な理由により、ダムが建てられた。
それでいいのだ。
その日の気分で何かをつくるのは神様だけで十分だ。
ちなみにダム完工まで7年の歳月がかかった。
神は7日で世界を作ったが、日曜日は休んだので実質6日だ。
神は手抜き工事をしたと私は思っている。
人間の方が根気がいい。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さて、帰ろうか。
LeicaM10P+ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
今日はこんなところで