第4回 【市内観光、文無し編】
前述の理由により、1ルーブルも持っていないので水一つ買えない朝が始まる。
ホテルが朝食付きで、無料でなければ詰んでました。
あるいは、下痢を覚悟で水道水を飲むしかないという。
予報では今日の気温は30度とのこと。
水が買えないので脱水の恐怖が迫る中、ウラジオストクを見て回る。
まずは駅前。
なお、ホテルから歩いて10分の距離である。
これがシベリア鉄道終着駅か・・・
ちなみに、明治日本はこれが完成すると兵員輸送力で戦争しても絶対に勝てなくなるので、シベリア鉄道が全線開通する前に開戦を決意しました。
日露戦争ですな。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
近づいてワンショット
なお、中の写真はありませぬ。
どうも、この建物は出口オンリーで、列車から降りた客がアレコレ手続きを終えて出てくるようになっているらしい。
入ろうとすると係員に静止された。
ちょっと・・・いや、かなりビビった。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
駅前キオスク・・・無一文なので、何もできない。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
鉄っちゃんでないので、細かいことはわからない。
ただ一つ、新幹線よりもでかい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ソ連時代の蒸気機関車
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ぼーっとしていると列車がやってきた。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
シベリア鉄道、9,288kmの終点ですよってことらしい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
駅のホームは低い。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
乗客が降りてきてホームが賑やかになる。
肩を抱き合ってキッスして喜ぶ人々を見て、ああ、ここは外国で、そういうのが当たり前なんだなと思った。
映画だのドラマで仕入れた知識はあるけど、リアルで見るのはこれが初めてだ。
しばらくすると迷彩服の兵隊の一群が降りてきた。
20人ぐらいだっただろうか。さすがにライフル銃はもっていなかったが、ブーツに背嚢を背負って立つ姿はゴツイものだ。
そろって整列するので、例の軍靴の音が聞こえる。
ああ、これが軍靴の音かと感心した。
自衛隊なら私服か何かだろうが、ここではそれが当たり前なんだなと。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ウラジオストクは坂の多い町だ。 上の方がガスっている。特に朝は。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
なんか、よく見ると見慣れた例の商標がある。
タミヤ模型の広告である。
近くで売っているのかもしれない。
旅行中、日本製の漫画やおもちゃを見ることは一度もなかったな。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
駅の向こうには、港の旅客便ターミナルがある。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
たしか、新潟に向かう船だったと思う。
ターミナルの中には土産物屋があったが・・・繰り返すけれど一文無しである。
この時点で、朝の8時ぐらい。
両替所が開くまであと2時間もある。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
仕方がないので、歩いて時間を潰すことにいたす。
ちなみに、市街は路上駐車天国である。
駐車場があるのは、ホテルと空港ぐらいなものだ。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
駅前広場へ
こういうのを見ると、ああ、ここは日本ではないと深く実感される。
だって、日本にこういう空間はないから。
町中に広場を設けるという発想は日本にはない。せいぜい、公園ぐらいなものだ。
ソ連を作ったレーニンも広場で演説をした。
ウクライナの内戦でも、最初は革命勢力が広場を占拠して、バリケードを設置して警官隊と衝突することから始まった。
広場というのは、実に政治的であるし、歴史的である。
一種の”装置”だと思っていい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
赤旗とラッパを持った男性像
厳しく、威風堂々としている。
旗の動きから、風に向かって立っていることが分かる。
こういうのが、彼らの理想なんだなぁと。かくあるべきと彼らが思っているものなのだ。
こういう発想も日本にはないな。
一応、日本にも戦国大名の像とかが観光地にあるが、駅前広場に置いたりはしない。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
絶妙な場所にウミネコが止まっていて草が生える。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちなみに、この時点で午前8時過ぎだった。
もうちょっとあとにこの場所に来たが、中国人観光客に占領されていたのでゆっくり写真を撮るなら早朝にいくべきである。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
駅前やら広場周辺から市内の周るバスが発車していく。
なお、発車時にドアが開いていても走行中に閉めるので問題ない。
料金は市内なら一律20ルーブル(30円)である。降りるときに運転手に支払う。
なお、停車ボタンの類はない。自分が降りたいバス停につく前に、前での出口に立っていれば、運転手が勝手に察知してバスを止めてくる。
あと、高額紙幣は使わない方がいい。おつりの用意がない場合がある。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっとウラジオストクの交通事情に語ろうと思う。
日本の交通事故死ワーストワンが名古屋なわけだが、その名古屋が可愛く思えるのがロシアと言う場所である。
名古屋なんて、お上品すぎて、草が生えるレベルだ。
市内で一番の大通りでバスが故障して立ち往生するところを見るなんて、日本ではそうはないだろう。
というか、新聞沙汰になりかねない。中日新聞ならたぶん小さくだが記事にするだろう。
だが、ロシアではバスが道の真ん中で故障して止まっても、パトカー一台だって来やしない。
その場で修理を始まるのだ。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちなみに、普通の乗用車でも同じである。
故障したら、そこがどんな大通りであっても、車を脇に避けたりせず、その場で修理だ。
安全確保なんて、知らぬ。存ぜぬ。顧みぬ。
SUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH.
事故車だって平気である。
フロントガラスが割れていても気にしない。ドアが開きっぱなしでもOK
ふつーに客を乗せて走る。
SUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH.
タイヤがつるつるでも気にしない。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
まず、市内に信号機が全然ない。
私の住む町は人口15,000人だが、ウラジオストクよりも信号機の数では勝ると断言できる。
さらに歩行者用の信号機のカウントダウンが恐ろしく短く、市街一番の大通りであっても、20秒ぐらいしかない。
小走りでも間に合うかどうか微妙だ。
というか、信号機とか横断歩道とか、みんな使っていない。
何もないところで、ふつうに歩いて横断するのだ。大人だろうと、子供だろうと、妊婦だろうと、おじいさん、おばあさんだろうと。
一応、渡りたそうに道の端で止まっていると車が止まってくれることはある。
だが、その後ろからやってくる車が止まってくれるとは限らない。
止まってくれた車を避けて進もうとするので、そいつに轢かれそうになった。
SUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH.
こんな話を聞いたあとだと市内は死屍累々と思われるかもしれない。
だが、不思議なことに轢かれた人は見なかった。
クラッシュして立ち往生している車は旅行中に6~7台みたが、人が轢かれるところはみなかった。
私自身、半日ぐらいで何もないところで横断する方法を覚えた。
そんな状態ではクラクションだらけで煩いかと思うだろう。
だが、存外、クラクションは少なかった。
平日の名古屋の中心部の方が煩いぐらいだ。
文化が違うのだ。そう思うしかない。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さて、いろいろ脱線したが、一文無しの朝は続く。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
こういう装飾過多の建築はやはり大陸的である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
歩いて、歩いて、次の観光スポットへ
第二次世界大戦中の潜水艦・・・C56の地上展示である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
10時から中に入ってみることができるらしい。
まだ9時前である。
そして、一文無しである。はいれなぃ
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
詳しいことは知らないが、日本だと伊号潜水艦とかになるだろうか。
潜水艦とは小さいものというイメージがあったが、実物は想像より遥かに大きい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちかくには、戦車の砲塔を使ったモニュメント
3万台作られたT-34中戦車である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
大祖国戦争(第二次世界大戦のソ連側の名称)で、戦死した人々を慰霊する場所らしい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ロングショットで
ナチス・ドイツがソ連に侵攻したのが1941年。ベルリンが陥落したのが1945年である。
ちなみに、教会の前にこういうのが作ってあるのは共産党の嫌がらせだそうな。
少しでも教会の権威をクサすために共産主義的なシンボルを教会の前に配置するそうな。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
そういう努力?にかかわらず共産主義は滅びてロシア正教会が復活したわけだが。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ここまで来ると軍港が間近に見える。
手前はロシア海軍太平洋艦隊の最初の軍艦。
奥にあるのはソ連時代に建造されたスラヴァ級巡洋艦である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さらに接近して撮影。引き伸ばしてみるテスト
艦の前方にある斜めの筒には大型巡航ミサイルが入っている。
冷戦中、これでアメリカ海軍の空母を攻撃する計画であった。
船の上にはミサイルを誘導するための電波を出すアンテナだらけである。
なんというか、いろいろ殺意が高い。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
そういえば、駅前にレーニン像があると聞く。
見るのを忘れていたと駅前まで戻る。
そろそろ両替所も開く時間だ。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
前からだと中国人観光客だらけなので、背後に回り込む。
たぶん、このおっさんは善意の人だったと思うが、やり方が駄目すぎた。
あと、スターリンという史上最悪のザ・独裁者を後継者にするとか、人を見る目がなかったとしか思えないところがある。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
フォーキナ通り
地球の歩き方にも乗っている噴水のある通りだが、朝は噴水が稼働していない。
この通りにレートのいい両替所があると聞いていた。
その情報も、昨日のY.Alexander氏から仕入れたもので、やはり日本語がわかる係員にアレコレ聞いておくのが吉である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
この信号を渡ってしばらく歩いたところに両替所がありました。
100ドルをすべてルーブルに両替して、ようやく物が買える状態になる。
なお、今回の旅の感触として100ルーブルと50ルーブルが一番使い安かった。
500ルーブルはお土産をまとめ買いするときに使う程度でほぼ市内で飲み物やら食べ物を買うときには使わない。
というか、高額紙幣は使うと嫌な顔されるので注意
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ウラジオストクで最初に買い物をしたお店
果汁入りの水を買った。
ロシアのキオスク・・・というか、ロシアの小売店は少々、独特のシステムを採用している。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
まず、日本と違って客は商品を自由に手に取ることができない。
写真中央の小窓から中にいるおばちゃんに、自分が欲しいものを指示して、お金を払う。
するとおばちゃんが小窓から商品を出してくれるという形である。
外に冷蔵庫が置いてある場合もあるが、ロックがかかっていて空かない。
つまり、欲しいものが言えないとものが買えないことになる。
ちなみに英語は通用しない。ロシア語で注文する必要がある。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
雑誌とかいろいろあるのでお土産に買っていこう思ったのだが、ロシア語で何というかわからない。
このたびでキオスクで買えたものは、水とコーラだけだった。
なんとかこの二つだけはロシア語で言えるので帰るのだが、あとはダメ。
身振り手振りでなんとか缶コーヒーを買おうとしたのだが、出てきたのがホットだったりして、キオスクで買い物をするのは諦めた。
いつもなら不愛想に、さっさと商品を出してくれるおばちゃんが、みょうに何度も聞き返してくるのでおかしいと思ったのだが、後の祭りである。
しかし、ロシアでは真夏にホットの缶コーヒーをキオスクで売っているのか・・・
いや、日本のコンビニだってホットは売っているけどさ。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
キオスクは、ほぼ市内の全域にある。
特にバス停のそばには必ずあると思っていい。
貴方がロシアに行ったら、一度、キオスクでの買い物に挑戦してみてほしい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
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