第5回 【ウラジオストク要塞博物館】
ウラジオストクに旅行にいくと決めたときから、ここは絶対に行こうと決めていた。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さて、ウラジオストクという町はソ連以前の露西亜帝国時代から、極東ロシアの軍事拠点であった。
ソ連時代は秘密都市扱いであり、町の中に住めるのは軍人と兵隊と研究者や軍事関係者と漁師だけで、ロシア人であっても町に入るには当局の許可が必要だった。
ましてや外国人など絶対に入れなかった。
だが、冷戦が終結し、ソ連が崩壊すると自由化され、こうして怪しい東洋人がLeicaを片手に要塞跡地の博物館に訪問できるようになった。
いい時代である。
今日はゆっくりと冷戦の遺物を堪能していきたい。
かつて、殆どの日本人が、悪の帝国として、恐れ、蔑み、ある種のユートピアと見てきた場所に私は立っている。
ここはさ、地上の楽園だったはずの場所である。
あるいは、天国に一番近い場所か。いろいろな意味で。
あるいは、天国に一番近い場所か。いろいろな意味で。
同じ対空砲をもうちょっとアップで。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
逆サイドから。
大砲は錆びついてもう動かないけれど、観覧車は今日もくるくるとよく回っている。
あんたに挿すオイルはもうないけれど、カンベンしてくれよ。
本望だろ?
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
もの凄いものが無造作に転がっていて、ビビる。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
前から、手前に置いてあるのは、魚雷です。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
一応、説明書きがあるのですが、ロシア語なので分からぬ。
辛うじて読めたのが、Bazalt のみであった。
あとで調べて分かったのだが、これは射程500km(公称)もある対艦巡航ミサイルであった。
巡航ミサイルとは要するに無人飛行機であり、最近はやりのドローンと違うのは、無人で飛んで、そのまま敵に突っ込むところであろうか。
米海軍の原子力空母をこれでやっつける算段だったようだ。
ちなみに、これはソ連軍のミサイルの中でも特に強力な奴だったので、こんなところに無造作においておいていいものか?
いいんだろうなぁ・・・
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
あまり大きくないところを見ると、潜水艦から撃つタイプではなく、ヘリコプターから潜水艦を攻撃するための短魚雷だと思う。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ミサイルは他にもある。
これはなんだろうね?説明書きがないので不明。
ちなみに、先っぽにはミサイルの誘導装置が入っている。触ってみたが、陶器のようにつるつるであった。
熱探知式のミサイルと思うが・・・?正体不明。たぶん、対艦ミサイルと思われる。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
このSFチックな後ろ姿のミサイルは、Ametist という潜水艦が水中から発射する対艦ミサイルである。
本体の周りにある4つのロケットブースターで加速して、水の中から飛び出して、米空母よ、こんにちわ!とやる予定だったらしい。
しかし、これを見ていて思うのだが、サンダーバードとか、ガンダムのコア・ファイターとか、SFな飛行機は数あれども、こいつのSF具合には全く勝てないなぁと。
素人が思いつくようなSFチックなものは、とっくの昔に専門家が作っていて、ここにいらない子として転がっているのである。
ミサイル以外にも、大砲も沢山あるぜよ。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
大変とても、砲兵火力は充実している。
さすがは大砲の国だと思う。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
対空砲である。
たぶん、これは船から引揚げしたものだと思う。
CIWSと呼ばれるもので、毎分数千発の機関砲弾を発射して、飛んでくるミサイルを撃ち落とす。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
隅っこの砲に佇む旧式砲・・・あ、これ日本軍の奴だ。
三八式野砲である。
おそらく、第二次世界末期にソ連が満州に侵攻したときに捕獲されたものだと思われる。
明治時代につくられた大砲だが、大日本帝国が滅びるその日まで現役であった。
こういうものでさっき見たソ連軍の大砲と撃ちあっていたのである。
そりゃ、勝てんわな。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
私以外にも見物人はいたが・・・金髪の幼女が大砲をぐるぐる回していた。
ここの展示品はおさわり自由なのである。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
この辺りは対空砲の展示コーナーらしい。
四連装対空砲である。
これに狙われたら命はないと素直に思える。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
不思議なもので、傷つけただけで罪に問われる人間様をブチ殺すのための道具が、とても美しい。
何故だろうか?
それは無駄がないからだ。必要。ただ、必要あるのみ。
ただ、一つ敵を倒すという目的のみに特化して、それ以外は一切顧みないもののあり方である。
坂口安吾曰く、
「見たところのスマートだけでは、真に美なる物とはなり得ない。すべては、実質の問題だ。
美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。要するに、空虚なのだ。
そうして、空虚なものは、その真実のものによって人を打つことは決してなく、詮ずるところ、有っても無くても構わない代物である。」
と、彼は日本文化私論で看破した。
私の写真はどうだろうか、あってもなくても構わないものだろうか。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっと彩度を下げて、灰色の表現
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
戦車はないが、装甲車ならある。
女の子が上がってはしゃいでも、誰もなにも言わない。
なお、この要塞博物館は、民間有志による設立だそうな・・・
つまり、この装甲車も、大砲も、ミサイルも、民間所有のものということになる。 まじか?
そりゃ、世の中には退職金をつぎ込んで、縄文土器やら、ヘルメットやら、ペナントやらの民営博物館を建てるおっさんがあちこちにいるが、巡航ミサイルを展示する博物館を建てるのは、どうなんだ・・・いや、ありか。
だって、ここはロシアだし。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ここからは屋内展示。中世のマスケットやらライフル銃のコレクション。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
↓を見るとずらっと砲弾やら銃弾が並んでいる。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
旧ソ連製の銃火器。現役のものもある。
左上にある筒のようなものは、不審船が海保の巡視船にぶっぱしたRPG-7である。
なぜか中央に、米軍のM16がある。
ひょっとしてベトナムで捕獲されたものだろうか?
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっとアップで
ソ連兵の主要火器を年代順に並べたものらしい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっと引いてロングショットで。いや、いいものを見させてもらった。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
屋内展示は、要塞の成り立ちやら、設備の紹介が大半だが、歴史コーナもある。
日露戦争の展示はものすごく小さくて、満州侵攻はやたら大きい。
そりゃまぁ、勝ち戦ですからね。 負け戦の話なんかしたくないですよね。
そこで見つけた逸品だが・・・これ軍刀ですか?
どう見ても模造刀というか、こんな派手な備えの軍刀あってたまるかと言いたい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
他にも、日本軍からぶんどり品が転がっている。
この機関銃は、隼戦闘機の武装である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
なんか、↓を見ると妙に存在感のある丸い物体が・・・
あ、これ、アンパン(対戦車地雷)だ。
自衛隊の大好物である。その後ろにあるのは、対戦車ミサイルである。
凄いものが無造作に転がり過ぎである。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
屋内展示は、昔の要塞のバンカーの中にあり、天井は分厚いコンクリートである。
天井が分厚いせいか、外は30度はあるけれど、中はとても涼しい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さて、そろそろ次に行こうとかと思ったら、
これ対空ミサイルじゃないですか。歩兵にもたせて、ヘリとかを撃ち落とす奴です。
手前の機関砲は・・・たぶん戦闘機に積んである奴だと思う。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
いや、いいものを見させてもらった。
2泊三日の弾丸旅行でなければ、一日中ここにいて武器を愛でていたいと思うほど、よい博物館であった。
今日はこんなところで
逆サイドから。
大砲は錆びついてもう動かないけれど、観覧車は今日もくるくるとよく回っている。
あんたに挿すオイルはもうないけれど、カンベンしてくれよ。
本望だろ?
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
次は何にしようかな~
わーい!対艦巡航ミサイルだ!
もの凄いものが無造作に転がっていて、ビビる。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
前から、手前に置いてあるのは、魚雷です。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
別の角度から いやぁ、これ、アレですね。 実に美しい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
一応、説明書きがあるのですが、ロシア語なので分からぬ。
辛うじて読めたのが、Bazalt のみであった。
あとで調べて分かったのだが、これは射程500km(公称)もある対艦巡航ミサイルであった。
巡航ミサイルとは要するに無人飛行機であり、最近はやりのドローンと違うのは、無人で飛んで、そのまま敵に突っ込むところであろうか。
米海軍の原子力空母をこれでやっつける算段だったようだ。
ちなみに、これはソ連軍のミサイルの中でも特に強力な奴だったので、こんなところに無造作においておいていいものか?
いいんだろうなぁ・・・
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
となりには魚雷が転がっている。
魚雷が転がっているという言葉に狂気を感じるが、とくかく転がってるので、そう言うよりほかない。
一番奥にある灰色の奴は、ロケット弾だ。
たぶん、ひょっとして戦術弾道ミサイルか?
あまり大きくないところを見ると、潜水艦から撃つタイプではなく、ヘリコプターから潜水艦を攻撃するための短魚雷だと思う。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ミサイルは他にもある。
これはなんだろうね?説明書きがないので不明。
ちなみに、先っぽにはミサイルの誘導装置が入っている。触ってみたが、陶器のようにつるつるであった。
熱探知式のミサイルと思うが・・・?正体不明。たぶん、対艦ミサイルと思われる。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
このSFチックな後ろ姿のミサイルは、Ametist という潜水艦が水中から発射する対艦ミサイルである。
本体の周りにある4つのロケットブースターで加速して、水の中から飛び出して、米空母よ、こんにちわ!とやる予定だったらしい。
しかし、これを見ていて思うのだが、サンダーバードとか、ガンダムのコア・ファイターとか、SFな飛行機は数あれども、こいつのSF具合には全く勝てないなぁと。
素人が思いつくようなSFチックなものは、とっくの昔に専門家が作っていて、ここにいらない子として転がっているのである。
ミサイル以外にも、大砲も沢山あるぜよ。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
大変とても、砲兵火力は充実している。
さすがは大砲の国だと思う。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
写真ではわかりづらいと思うが、滅茶苦茶大きい子です。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
もっと大きいのもある。
要塞砲の15サンチ砲である。
ちなみに、戦艦大和には、これが12門もあったそうな。
対空砲である。
たぶん、これは船から引揚げしたものだと思う。
CIWSと呼ばれるもので、毎分数千発の機関砲弾を発射して、飛んでくるミサイルを撃ち落とす。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
隅っこの砲に佇む旧式砲・・・あ、これ日本軍の奴だ。
三八式野砲である。
おそらく、第二次世界末期にソ連が満州に侵攻したときに捕獲されたものだと思われる。
明治時代につくられた大砲だが、大日本帝国が滅びるその日まで現役であった。
こういうものでさっき見たソ連軍の大砲と撃ちあっていたのである。
そりゃ、勝てんわな。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
私以外にも見物人はいたが・・・金髪の幼女が大砲をぐるぐる回していた。
ここの展示品はおさわり自由なのである。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
この辺りは対空砲の展示コーナーらしい。
四連装対空砲である。
これに狙われたら命はないと素直に思える。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
不思議なもので、傷つけただけで罪に問われる人間様をブチ殺すのための道具が、とても美しい。
何故だろうか?
それは無駄がないからだ。必要。ただ、必要あるのみ。
ただ、一つ敵を倒すという目的のみに特化して、それ以外は一切顧みないもののあり方である。
坂口安吾曰く、
「見たところのスマートだけでは、真に美なる物とはなり得ない。すべては、実質の問題だ。
美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。要するに、空虚なのだ。
そうして、空虚なものは、その真実のものによって人を打つことは決してなく、詮ずるところ、有っても無くても構わない代物である。」
と、彼は日本文化私論で看破した。
私の写真はどうだろうか、あってもなくても構わないものだろうか。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっと彩度を下げて、灰色の表現
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
戦車はないが、装甲車ならある。
女の子が上がってはしゃいでも、誰もなにも言わない。
なお、この要塞博物館は、民間有志による設立だそうな・・・
つまり、この装甲車も、大砲も、ミサイルも、民間所有のものということになる。 まじか?
そりゃ、世の中には退職金をつぎ込んで、縄文土器やら、ヘルメットやら、ペナントやらの民営博物館を建てるおっさんがあちこちにいるが、巡航ミサイルを展示する博物館を建てるのは、どうなんだ・・・いや、ありか。
だって、ここはロシアだし。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ここからは屋内展示。中世のマスケットやらライフル銃のコレクション。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
↓を見るとずらっと砲弾やら銃弾が並んでいる。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
旧ソ連製の銃火器。現役のものもある。
左上にある筒のようなものは、不審船が海保の巡視船にぶっぱしたRPG-7である。
なぜか中央に、米軍のM16がある。
ひょっとしてベトナムで捕獲されたものだろうか?
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっとアップで
ソ連兵の主要火器を年代順に並べたものらしい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
ちょっと引いてロングショットで。いや、いいものを見させてもらった。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
屋内展示は、要塞の成り立ちやら、設備の紹介が大半だが、歴史コーナもある。
日露戦争の展示はものすごく小さくて、満州侵攻はやたら大きい。
そりゃまぁ、勝ち戦ですからね。 負け戦の話なんかしたくないですよね。
そこで見つけた逸品だが・・・これ軍刀ですか?
どう見ても模造刀というか、こんな派手な備えの軍刀あってたまるかと言いたい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
他にも、日本軍からぶんどり品が転がっている。
この機関銃は、隼戦闘機の武装である。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
なんか、↓を見ると妙に存在感のある丸い物体が・・・
あ、これ、アンパン(対戦車地雷)だ。
自衛隊の大好物である。その後ろにあるのは、対戦車ミサイルである。
凄いものが無造作に転がり過ぎである。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
屋内展示は、昔の要塞のバンカーの中にあり、天井は分厚いコンクリートである。
天井が分厚いせいか、外は30度はあるけれど、中はとても涼しい。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
さて、そろそろ次に行こうとかと思ったら、
これ対空ミサイルじゃないですか。歩兵にもたせて、ヘリとかを撃ち落とす奴です。
手前の機関砲は・・・たぶん戦闘機に積んである奴だと思う。
ELMARIT-M F2.8/28mm ASPH.
いや、いいものを見させてもらった。
2泊三日の弾丸旅行でなければ、一日中ここにいて武器を愛でていたいと思うほど、よい博物館であった。
今日はこんなところで
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