2015年9月19日土曜日

桑名市→木曽岬温泉


 少女終末旅行という漫画がある。

 

 簡単に説明すると、文明が崩壊して、人間以外の生き物が全て死に絶えた世界を彷徨う日常系漫画である。
 文明崩壊ものといえば、ヒャッハー!な映画「マッドマックス」が有名であるが、この漫画にはバイオレンス要素は全くない。
 ただひたすら、滅びた雪の降る世界を二人の少女が淡々と過ごすという話である。

 そんな話の何が面白いかと問われると困るのだが・・・

 要するには、私は既に滅びた、終わってしまった廃墟にとても心惹かれるのだ。
 

 というわけで、桑名市 → そして終末観光で有名な「木曽岬温泉」へと行って来た。
 なお、桑名はふつうの町です。滅びているわけではありません。


 では、桑名駅前からスタート

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 地方にはまだまだ沢山ある駅前ビル

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 中はまぁ・・・お察しである。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 桑名だけあってハマグリはどこにでもある。

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 外に出てアーケードを探すと・・・ありましたよ。奥さん。
 シャッターだらけのアーケードが。

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 アーケードの中の昔ながらの肉屋である。
 とはいえ、並んでいるお肉はやや寂しいものがある。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 駅前の裏路地にはスナックが並んでいるが、当然この時間にはどこも営業していない。
 静かなものである。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM

 
 さらに歩いて、七里の渡しまで行くが、別に何か史跡が残っているわけではない。
 東海道唯一の海路の入り口にて、伊勢の国の入り口でもある。
 よって、伊勢神宮の鳥居がここにあったりするが、別にただの鳥居である。


 小さな公園とちょっとした港があるだけだ。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 七里の渡しから少し離れたところに、六華苑がある。
 幕末から明治にかけて米取引で莫大な材をなした富豪の邸宅である。
 なんでも、時は金なりを地でいく人だったらしい、人力車に飛び乗って、人力車が直ぐに走り出さないと機嫌が悪くなったそうだ。
 
 家に継いだとき莫大な借金があり、それを3年ほどで返してしまうなど、超人的な商才と行動力の持ち主で、一代で財を築いた。

 とはいえ、そんなことを知ってもどうしようもない。

 
 当時の米取引というのは要するに現在の株やらFXである。
 この話を現代化するとサラ金から限度額一杯まで金を借りて、その金を元手に信用取引をやって、一攫千金したとか、そういう話である。

 凡人が天才を真似ても破滅するだけだ。
 

 
 和洋折衷といえば、かっこいいがご覧のとおり無理やり感が半端ない。
 諦めて全て和風にしておけばよかったと思ったのではないか。



 

 中は・・・和風建築。紅葉の季節に来るべきか。

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 庭にきのこが生えていた。
 食べられるのだろうか?

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歩いて駅前に戻ろう。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 本日のメインである木曽岬温泉まで向かう途中に大きな橋がある。
 国道一号線、伊勢大橋だ。
 普通は車で通り過ぎてしまうところだが、歩いて渡ってみた。

 なぜか、橋に未開封の缶ビールが落ちている。
 誰かが置いていったのだろうとしか思えないが・・・何のために?

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM

 
 缶ビールの視点から、ローアングル

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 さて、件の木曽岬温泉である。
 田んぼの真ん中にある温泉だ。

 ちかくには長島温泉があり、わざわざこんなところに来る人は殆どいないだろう。
 現時点で、すげに廃墟感が漂うが・・・まだ営業している。


 一応、浸かってみた。浴場の写真はないが、女湯と男湯の区切りに何故か名古屋城があったりとか突っ込みどころ満載だ。
 全く不衛生。ぶっちゃけ、まともに掃除はされていない。

 砂利風呂といって、砂利にひたひたに湯が張ってあってそこに寝そべるという風呂があるが、砂利の間には正体不明の藻?カビ?が大量に繁茂していた。
 タイルが吹っ飛んでいるところもあるし・・・要する、生きている廃墟である。

 しかし、地元の老人が10人かそこら浸かりに来ていた。
 逆に言えば、そういう人しかいない。


   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM

 
 いま話題らしい・・・しかもゴールデンランドである。

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 ただひたすら、終末感がただよう看板広告
 ここに廃墟がありますよ!と遠くからアッピルしている。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 構造は、所謂かまぼこ型で、奥に浴場、手前には・・・収容1000人を誇る大宴会場がある。
 宴会場なんですよ・・・これ。

 地元の老人達が畳の上でごろ寝しています。
 電気はついていません。
 
   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 脇には売店がある。
 正確には、売店の残骸が。
 カツ丼やらラーメンが売っていた痕跡がある・・・あるんですよ。

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 たぶん、田舎芝居をやっていた舞台・・・
 30~40年前に来るべきでしたな。

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 脇にマッサージコーナー・・・だったものがある。

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 途方もない終末感が漂っているマッサージルームだったもの。
 如何なる理由があってもこのベッドに寝そべりたいとは思わない。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 マッサージ器の広告らしきもの・・・科学の目は正直だ。
 2400万画素のCMOSセンサーが正確に、日に焼けたポスターを捉えている。

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 自動販売機コーナー・・・一応、動いている。
 天井に穴が開いていて、その下にプラケースが置いてあったりするが。

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 驚いたことにオリジナル?の日本酒自動販売機がある。
 木曽岬温泉のネーム入りである。

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 ただし、天井には穴が開いている。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 出入り口・・・退廃的な空気が漂う。




 ちなみに、併設の木曽岬ホテルなるものがあるが、そちらは廃業。
 さらに奥には倉庫らしきものがあったが、これも天井が吹き飛んでいる真性の廃墟だ。

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 割れた窓に映る風景がちょっと気に入った。
 

   Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM


 今日はこんなところで
 

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